大阪地方裁判所 昭和45年(わ)2943号 判決 1971年3月22日
本店所在地
大阪市天王寺区上本町五丁目一一番地
被告人
株式会社 浜田商会
右代表者代表取締役
浜田敏春
本籍
兵庫県洲本市由良四丁目八七九番地
住居
大阪市天王寺区上本町五丁目三番地の二二
会社代表取締役
被告人
浜田敏春
大正九年四月一七日生
右被告人両名に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は、検察官緒方政昭出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社浜田商会を罰金五〇〇万円に、被告人浜田敏春を懲役五月に、それぞれ処する。
被告人浜田敏春に対し、この裁判確定の日から二年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人株式会社浜田商会は、大阪市天王寺区上本町五丁目一一番地に本店を置き、釣漁具の卸売等を業とするもの、被告人浜田敏春は、右会社の代表取締役としてその業務全般を統轄しているものであるが、被告人浜田敏春は、被告人株式会社浜田商会の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一、被告人株式会社浜田商会の昭和四一年九月一日から昭和四二年八月三一日までの事業年度において、その所得金額が二九、八〇〇、七九六円、これに対する法人税額が一〇、二二〇、〇〇〇円であるのにかかわらず、公表経理上売上及び仕入値引の一部を除外し、かつ売上金等の資金により取引先に対し手形割引及び現金貸付を行なつて、その割引料及び貸付金利息を取得しこれを除外する等の不正行為により、右所得金額中二七、〇四三、四九五円を秘匿したうえ、昭和四二年一〇月三一日大阪市天王寺税務署において同署長に対し、右事業年度の所得金額が二、七五七、三〇一円、これに対する法人税額が七七一、九〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税九、四四八、一〇〇円を免れ、
第二、被告人株式会社浜田商会の昭和四三年九月一日から昭和四四年八月三一日までの事業年度において、その所得金額が三一、三二七、五三七円、これに対する法人税額が一〇、七一一、六〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正行為により、右所得金額中二九、〇八四、〇三八円を秘匿したうえ、昭和四四年一〇月三一日前記天王寺税務署において、同署長に対し、右事業年度の所得金額が二、二四三、四九九円、これに対する法人税額が五八五、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、よつて同年度分の法人税一〇、一二六、四〇〇を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一、被告人浜田敏春の当公判廷における供述
一、被告人浜田敏春の検察官に対する供述調書二通及び大蔵事務官に対する質問てん末書一〇通(四月二〇日付、二一日付、二三日付、五月六日付、一一日付、二一日付、六月一一日付、一七日付、二二日付、二九日付)
一、被告人浜田敏春作成の確認書八通及び六月一一日付上申書
一、天王寺税務署長作成の証明書二通
一、登記官作成の商業登記簿謄本
一、富士銀行上六支店次長、三菱銀行上六支店長、東海銀行上六支店長、富士銀行員磯谷弥三郎、相互信用金庫本店営業部長、同金庫東成支店長各作成の確認書
一、三和銀行上本町支店長作成の確認書四通
一、大和銀行上六支店副長作成の確認書二通
一、大蔵事務官作成の調査書一八通
一、大蔵事務官作成の現金預金有価証券等現在高検査てん末書一四通
一、浜田馨、松本悌治、中島一成、小林常夫、林博之、荒木清次郎、西井正一、道中義治、池田重夫の各大蔵事務官に対する質問てん末書
一、三和銀行城東支店次長、大和銀行城東支店副長、住友銀行城東支店長代理、三和銀行玉造支店長代理、同銀行鶴橋支店長代理、近畿相互銀行谷町支店店頭係長、住友銀行城東支店次長、同銀行立売堀支店預金係長、東海銀行難波支店次長、東洋信用金庫野田支店次長各作成の確認書
一、浜田きぬゑの検察官に対する供述書
一、押収してある給料計算控一五冊、当座勘定照合表二綴、売上帳二綴、銀行勘定帳三冊、手形受払帳一綴、総勘定元帳三綴、メモ二綴、計算書一枚、証明書一通(昭和四六年押第一〇号の1ないし13)
(法令の適用)
被告人株式会社浜田商会につき、各法人税法一六四条一項、一五九条一項、刑法四五条前段、四八条二項
被告人浜田敏春につき、各法人税法一五九条一項、各懲役刑選択、刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、二五条一項
よつて主文のとおり判決する。
(裁判官 高橋欣一)